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勝手にボローニャ親善大使

2月の1ヶ月を、イタリア北部の「ボローニャ」という都市で過ごしてきました。

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私たちの仕事は、2月の1ヶ月がまるまるオフになります。
今年のオフを異国の地で長期滞在しようと計画したのは、2年以上前のことでした。

昨年が結婚10周年ということもあり、思い切って贅沢をして記念になるような旅をするのも悪くないと思ったのと、「農業」と「田舎」という私たちの日常から一度離れることで、色々な発見や刺激を得て、またこの地で心新たに頑張れることを期待しました。

なぜボローニャに決めたかというと、旅のテーマが「旅行ではなく生活をしに行く」ことだったからです。なのでいわゆる観光地は候補にあがりませんでした。
ボローニャは日本人にとってはマイナーな都市ですが、イタリア人が住みたい街ではトップにあがるそうで、治安が大変よく、交通の要所でもあり、食材の宝庫で、街の規模が小さすぎず大きくもないちょうどいい感じです。

1ヶ月近く滞在してみて、ボローニャを選んだことは大正解だったと思いました。
私たち夫婦は「美味しいものを食べることが何よりも好き」という人間で、ワイン好きでもあるのですが、そんなかたにとってはボローニャほど楽しい街はそうはないのでは!?と思いました。

ボローニャのあるエミリア・ロマーニャ州はイタリアでも特に食通の州として知られ、パルマの生ハムやチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)の他、手打ちパスタ、ソーセージ、バルサミコ酢などの名産地で美味な食材が豊富です。
日本でもおなじみの「ボロネーゼ(ミートソースのパスタ)」はボローニャで生まれました。

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本場のボロネーゼ。どの食堂、レストランでも必ずメニューにあり、日本で食べるボロネーゼのような濃い味つけではなく、優しく素朴な味わいでした。麺はスパゲティは使わず、平たいタリアテッレを使い、肉の食感をしっかりと残すスタイル。

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パルミジャーノの専門店。パルミジャーノはとても高価なものなので、この地方では銀行からお金を借りる時に担保となるそうです! 銀行もそれぞれにパルミジャーノの倉庫を持っているのだとか!? そして泥棒もその倉庫を狙うわけですが、ひと塊で32kgあるので持ち運びはさぞ大変でしょう!!

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お肉屋さんに吊るされている生ハムに圧倒!

そんな美食の街に滞在していましたが、私たちの旅はホテルではなくアパート住まいだったので、きちんと自炊をしていました。街の中心部に新鮮な野菜や果物、魚が売られている市場があり、その日に料理する食材をすぐに買いに行けて便利でした。

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初めて目にする野菜もいくつかあり、買ってみて、美味しければ「来シーズンに栽培してみよう!」と、少しは農家らしい会話もしました(笑)
個人的に一番美味しかったのはサボイキャベツ。
野菜全般の価格は東京と同じくらいかな?果物は安かった!特に小さいオレンジがとても美味しくて、毎朝食べていました。

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ボローニャは内陸ですが、魚市場があるため新鮮な魚が手に入ります。
イカやシャコやムール貝を買ってみましたが、どれも美味しかったです。
ちなみに魚屋の店内の一角で、魚介のフリットとスパークリングワインを飲めるコーナーがあったことに惹かれました。

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上の写真はレストランではなくアパートでのランチタイム。
シェフ(夫)は初めて扱う食材でも器用に調理し、美味しい食事を家でも楽しめました。夫に感謝!!

「イタリアに1ヶ月もいたら一体何キロ増加するだろう!?」とやや心配だったのですが、野菜を食べることを心がけ、毎日2万歩の散歩をし、夜は炭水化物を控えていたおかげで、帰国後に体重をはかったら二人とも帰国前とまったく体重が変わっていませんでした。そして滞在中は一度も体調崩すことなく楽しく過ごせました。

今回の滞在の一番の目標は、現地の人と触れ合うことでした。そのためにはイタリア語を話すことが何より大切だと感じていたので、私はあいている時間があればイタリア語の勉強に励みました。1年前からイタリア語のテキストを買って準備はしていたのですが、なかなか身が入らず、追い込まれないと頑張れないことを痛感しましたが、短期集中のわりには話せるようになりました。覚えたことはすぐに実践し、(アパートの管理人さんをつかまえて話しかける、行きつけのBARの店主と毎日違う会話をしてみる等)、それによって現地の人との距離が一気に縮まりました。このことは私にとって旅の一番の幸せでした。

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毎日のように通っていたバール(立ち飲み喫茶のような店)にて。
お店の皆さん、お客さん、とても親切にして下さり、またこの人たちに必ず会いに行こうと心に決めました。

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バールの常連さんで床屋さんがいたので、夫が髪をカットしに行きました。
店主は、「日本人の髪を切るのは初めてだよ!」とかなり興奮していました。
店主はとても腕がよく、丁寧な仕事ぶりで、私がイタリア語でちょいちょい褒めていたらさらに気をよくし、店主のパフォーマンスタイムを愉しみました。
肝心な仕上がりは・・・ 「若旦那風」(笑)

【アパート選びについて】
暮らすような旅がしたくてアパート住まいにしたわけですが、今は大変便利な世の中でして、以下のサイトからアパートを選べ、日本人スタッフともやりとりができ、安心して賃貸契約できました。
http://www.jp.halldis.com/boronya-apaatomento

滞在していたアパートはこんな感じです。
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アパートの外観。
繁華街の裏にありますが、とても閑静で安心して生活ができました。
管理人さん(ボローニャ生まれボローニャ大学出身の生粋のボローニャ人)がとても親切なかたでした。
私は管理人さんに毎日、「今日はこんなことをして過ごしたよ」と話すようにしていたので、すっかり仲良くなってしまいました。

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アパートの中庭

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部屋は40m2あり、天井が高く、快適に過ごせました。
バスタブはありませんが、暖房システムはセントラルヒーティングで1日中部屋がとても暖かく、薄着で過ごせました。

以下、「勝手にボローニャ親善大使」としてボローニャの見どころ・オススメのお店を紹介していきます。

・「マッジョーレ広場」
広場
地理的にも政治的にも800年にわたりボローニャの中心であり続ける広場。
ここへ毎日通い、広場の端っこに腰かけ、ぼーっとしながら人々の様子を観察していました。なんの目的がなくても寄れる場所、人々が自然と集まる場所、それが広場なのだと感じ、「広場のある街って素敵だな」と思いました。

夜の広場
広場の夜の顔も魅力的です。

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週末にはこうして生演奏をしにくる人が何組もいます。
平日でもボローニャの街角にはソロのトランペット奏者やキーボード奏者がいて、寒さで凍える中でも音色はなりやまず、道行く人々を癒していました。

・「二本の斜塔」
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ボローニャには12~13世紀の頃には100本もの塔があったそうです。その名残がボローニャのシンボルでもある二本の斜塔(ガリゼンダの塔とアジネッリの塔)

アジネッリの塔には階段でてっぺんまでのぼることもできます。高さ48m、片道498段、頑張ってのぼればレンガ色のボローニャの街並みが見渡せます。
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・「街をはりめぐらすポルティコ」
「ポルティコ」とは、ボローニャの街を象徴する総距離42kmに及ぶ柱廊(アーケード)です。
ボローニャにはヨーロッパ最古の大学「ボローニャ大学」があり、その昔、学生たちの住まいとして通りに張り出すように2階を増築したので、まるでアーケードのようになりました。
街じゅう至るところ、メインストリートにも狭い路地にもポルティコがあります。私たちは滞在中とにかく街を歩き回ったので、ほとんどのポルティコは制覇できた気がします。

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ポルティコのいいところは、お天気を気にせずに散歩や買い物に行けること!
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夜のポルティコは琥珀色の陰影に包まれ、とても素敵です。
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そんなポルティコはなんと小高い丘の上まで続き、頂上には「サン・ルカ教会」という霧に包まれた幻想的な教会に辿り着きます。それを知り、実際頂上までのぼった時は、「なんて素敵な街なのだろう!」と感動しました。
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・聖ステファノ聖堂
ボローニャには沢山の教会がありますが、この聖ステファノ聖堂は「七つの教会」と呼ばれ、実際には一つの建物ではなく、七つの建物が一緒になった教会群です。
その起源はとても古く、5世紀までさかのぼります。内部はローマ時代、ビザンチン時代、ランゴバルド時代の痕跡が入り混じり、独特な空間を作り出しています。
無料で見学、写真撮影も可能。
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こちらはサン・ドメニコ教会といって、ミケランジェロの彫刻が2体あるので有名な教会で、モーツアルトが弾いたオルガンもあります。外観はとても簡素な教会なのですが、中へ入ると・・・
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マッジョーレ広場にそびえ立つ「聖ペトロニオ大聖堂」
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カトリック教会最大級の一つで、1390年に着工され、結局未完成に終わりました。

 

【ボローニャへ行く人(かつワイン好きの人)にぜひオススメのレストラン】
・Tamburini

Wine Bar

信じられないほど山盛りの生ハムがとても安く楽しめるワインバー
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ワインもグラスで色々注文でき、安くて美味しいイタリアワインが楽しめます!
とても活気があり、1人でも気軽に利用でき、子連れのかたでも楽しめるカジュアルなバーで、「近所に一番欲しい業態はコレだ!」と思いました。
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本場の生ハムにプロセッコがピッタリ合い、ついつい飲みが進んでしまう・・・

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・Trattoria Della Santa
http://www.trattoriadellasanta.com/
ボローニャの伝統料理、そしてマンマの味を堪能できる食堂
観光客はほとんど来ない、地元の人に大人気の食堂です。
どれを食べてもハズレなし!
ニョッキ
マンマの手作りニョッキ(ホウレン草が練りこんであって濃厚トマトソースとの絶妙なバランスが最高)このニョッキ、人生ベストニョッキ!!

・Enoteca Storica Faccioli
http://www.enotecastoricafaccioli.it/
ワイン愛がとても深いご夫妻が切り盛りするワインバー。壁一面に飾られたボトルの多さに圧倒されます。イタリア以外のワインもあるのですが、王道なワインは一本もなく、どれも個性的だったり小規模ワイナリーやビオワインが豊富。
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この店の魅力は、気になったボトルをグラスで気軽に注文できるところ。飾られたボトルすべてに、テイクアウトの価格・店内注文の価格・グラス注文の価格がラベルされており、グラスで飲んで美味しかったらボトルでも購入したりしました。
Facc

とにかくワイン好きにはたまらない店です。
ここのご夫妻に私たちのワイン好きっぷりは十分に伝わったようで、ワイントークで盛り上がりました。
帰国の際、お土産にワインをプレゼントして下さいました。来年の冬には東京に来日するそうで、再会できたらと思っています。

・Ristorante Al Sangiovese
http://www.alsangiovese.com/it/
中心地から少し離れた閑静な場所にひっそりと佇むリストランテ。
とても人柄の温かいマダムがお出迎えしてくれます。
気取らず行ける家庭的なリストランテ。でもお味は星つきのリストランテ並み!
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サンジョベーゼのリゾットは、忘れられない美味しさ。
仔牛のフィレステーキサンジョベーゼソースや、カプリーニチーズのポルチーニ茸ソースなど、どれも素材の美味しさを際立たせる繊細な味つけで大変美味しかったです。
店名にサンジョベーゼとつけるだけあって、美味しいサンジョベーゼが沢山揃っていて、マダムのオススメで注文した一番安かった15ユーロのワインはあまりにお買い得だったので、ボトルでも購入しました。
ボローニャで作られるワインはサンジョベーゼ種が多いのですが、日本に輸入されるサンジョベーゼよりも当然安くて美味しくて、どんなボローニャ料理にも寄り添う味でした。

ちなみにボローニャの街では寒さで凍える中でも普通に外飲みしている人の多さに驚かされました。
店内が禁煙のところばかりというのも影響していると思うのですが、広場でもどこでも座り込んで楽しそうに話ししている光景を見かけると、寒さ耐性は日本人より遥かにあるのではないかと思います。
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ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。

ボローニャの魅力はここには書ききれない程まだまだあります。
もしボローニャへ行くご予定のあるかたは、ぜひご連絡下さい。

ボローニャ以外にもフィレンツェやヴェネツィアなどにも足を運びましたが、私にはボローニャががっちりハマってしまい、他の都市へ行く気が湧かず、せっかくイタリアへ行ったのにローマにすら行きませんでした。次回イタリアへ行く機会があっても、また同じ街の同じアパートで過ごしたいと思うほどです。

ボローニャという素晴らしき街と、そこで出会った人々に感謝をこめて・・・

在賀 季代