この地域では、秋の収穫を祝う「十日夜(とおかんや)」という風習があります。
毎年11月10日の夜、稲刈り後の藁を束ねて「藁鉄砲」を作り、地面を叩きながら唱えごとをする行事です。
これは稲の収穫を感謝し、翌年の豊作を祈るための行事で、地面を叩くことで作物にいたずらをする野ねずみやモグラを追い払う意味を持つそうです。
これを各集落の小学生以上の子供たちが、夜になってから自分の住む集落の家を一軒一軒をまわり、藁鉄砲を打ちながらこう唱えるのです。
「とおかんや、とおかんや とおかんやの、藁でっぽう 夕めし食って、ぶっ叩け」
(実際はもっと長いです)。
祈願の御礼に、お迎えした家の人は子供たちにお菓子を捧げるのです。
11月10日といえば、この地域なら雪が降ってもおかしくありません。
雪の中でも、マイナス気温の中でも、子供たちは一生懸命、最後の一軒までちゃんとやり遂げるのです。この姿に私は毎年心を打たれます。
鷽の口(私のいる集落)の子供たち、豊作を祈ってくれてありがとう!
(かも)