「玄米せんせいの弁当箱」

 

ご存知でしょうか?
現在、ビッグコミックで連載されている魚戸おさむさん作の漫画です。

この漫画は〝真の食育"を学べる素晴らしい話が満載なので、是非紹介させて頂きたいと思います。

主人公の玄米先生は、大学の農学部の講師。
「食べる喜び」を生徒に伝えるべく、型にとらわれずに講義をしていきます。
その講義は、現代の食が直面している問題について深く考えさせられます。

・家族みんなが集まって食卓を囲む姿が消え、「個食」や「孤食」といった個人がバラバラに食事をする現代。
・便秘やメタボリックがもたらす恐ろしさ。
便秘を「たかが便秘」と思っている女子大生が登場するのですが、便秘の本当の恐ろしさを知らずに食生活を正さずに、サプリメントに頼ったり、ダイエットをしたり・・
また、毎日外食生活のサラリーマンが病院へ行きメタボリックと診断され、「メタボを甘く見てれば糖尿病や心筋梗塞などの恐ろしい病気が待ち受けている」と医者から忠告を受け・・

便秘の女子大生もメタボのサラリーマンも、玄米先生との出会いによって次第に変わっていきます。
玄米先生は「健康のためにはアレは食べちゃダメだ!コレもよくない!」と説教くさく教えるのではなく、健康になるために食べるものを制限してしまうと、「食べることの楽しさ」を忘れてしまうという考えのもと、美味しくて楽しい食事法を伝えていきます。

私自身、この作品を読んでいて玄米先生にとても共感するものが多く、例えば健康になりたいからといってサプリメントを大量に摂取したり、マスコミで紹介される「これさえ食べていれば健康になる」という情報を鵜呑みにすれば、果たして解決する問題なのか??と。
サプリメントについていえば、日々の食事で不足しがちの栄養素を、サプリメントで補っていればいいと考えているかたはとても多いと思います。(私も東京で働いていた頃はそうでした。昼はコンビニのおにぎりとフライドチキンとサラダ&DHCのビタミン剤が定番でした・・・)

また、女性の中にはご飯を食べないで数種類のサプリメントを摂るだけで、健康に痩せられると考えている人が多いようです。しかしこれは大きな間違い!!
食事を抜いてサプリメントだけをたくさん摂っても、身体には吸収されないのです。(ビタミンCがレモンの何個分とか表記されているのに)。
つまりエネルギーや体の組織に変わる「元」になるものがなければ、サプリメントの働きは発揮されず、健康にはなれないのです。
結局のところ米や野菜や大豆による栄養素をバランスよく摂取することが、健康にとっては間違いなく一番です。

とはいえ、私の友人の多くは朝から晩まで仕事で忙しく、夜はつきあいなどで外食しがちになってしまい、自炊する余裕がなかったり身体にいい食事をすることが難しい環境におかれています。だからこんな話をしても、「明日から食生活を改善しよう!」というふうにはならないでしょう。
今はまだ若いから、乱れた食生活のツケが身体に出ていないのだと思います。
しかし糖尿病をはじめとする生活習慣病、ガン・心疾患、生殖能力の低下...などといったツケとなって、未来の私たちにふりかかる可能性は大いにあるでしょう・・・

人間誰しも病気になりたくない。健康でいることが一番幸せなはずなのに、そのわりには食事に気を配らない傾向がありますよね。

日本の糖尿病患者は、高度成長を迎えるまでは数百人しか存在していなかったのに、いまや1600万人にも膨れ上がっています。
高血圧の人は3200万人、痛風もちの人は50万人も存在します。
加えて、昔はほとんど存在していなかった喘息やアトピーなどのアレルギー性疾患や、うつ病などの精神疾患も確実に増えました。
ガンでいうと、日本人のガンは昔は胃ガンや子宮ガンが多かったそうですが、欧米人に多い肺ガンや大腸ガンや乳ガンのほうが今では多いことを考えれば、食生活が欧米化したことにより病気も欧米化したのです。

これは玄米先生の名言です。
「食生活が乱れると、体調が乱れる。体調が乱れると、人生まで狂わせてしまう。だから食べ物に気を配ることは、人生を大切にすることに繋がる。」

私はこの作品を読んで痛感したことは、毎日の食事が身体を作り、病気になるのもならないのも食生活次第、ということ。
だから例えばいい医療保険に入って安心するのではなく、素晴らしい病院を探すのではなく、まず食生活を正すことから始めるべきだと思います。
そして私は農家として、野菜の持つ効能を伝え、私たちから野菜を買って下さる方々が病気知らずの健康生活を送られるよう貢献したいという想いです。

「玄米せんせいの弁当箱」は、現在1巻~3巻まで書店またはネットでも発売しています。
一家に一冊あると、今よりきっと食卓が楽しくなり、食事が美味しくなるはずです。
是非読んでみてください!!

(かも)

6 Comments
  1. はじめまして。
    大阪出身、東京在住のIT系企業の経営者です。
    「農」のあるくらし・・・本当に素晴らしいと思い、コメントさせていただきました。
    日本の大切な食事。穀物自給率は28%と言われ、軽視できない問題と考えております。
    また、食自体にも大きな問題を抱えております。
    農薬検査のあいまいさ、安さの追求、輸入食品への警戒等々。
    質は無視して安くで大量にというのは、成熟した資本主義経済の姿かもしれませんが、食品偽装等々のゆがみも出ている今、見なおす必要があると思います。
    しかも現在、失業率が上昇する一方で、人材が手薄で重要な農に対して何も行動しない国政にもどうか?と疑問をかんじずにはいられません。
    そんな中、東京から長野へ、ITから農へ転職したという話を聞き、なんて志の高い方なんだ!と感心してやみません。
    遠く東京から、応援しております。
    P.S.
    実は、サイトを紹介してくださった方は、GOLDEN GREEN様のお知り合いという方です。

  2. コムさま、はじめまして!
    HPを拝見して下さり、コメントまで下さって有難うございました。
    「志の高い方」とは恐縮で、私たち夫婦はこれから食べていく仕事として農業が一番未来があると確信し、今はただ思いのまま突き進んでいるだけなのです。
    国単位で今の食糧事情を変えていくのはそう容易ではないですが、私たちはもっと身近なところで消費者と生産者の本来あるべき関係を築いていけたらと思っています。
    また是非サイトにいらして下さいませ。

  3. うてきなぷりぱさん、コメントありがとうございます。
    玄米せんせい、すごくいい漫画です。食を考える上でいろいろとヒントをくれる本です。
    ちなみに「うてきなぷりぱ」ってどんな意味があるんですか?最初は思わずスパムかと思ってしまいました(笑)

  4. ブログがあることを知りませんでしたので、
    初めて読ませていただきました。
    食のこと、だいじですね。
    でも、楽しい食事、正しい(?)食事、
    分かっているのですが、
    なかなか難しいことのようです

  5. 先生のブログはいつも拝見させて頂いておりますが、こちらのことはお伝えしていませんでしたね。楽しい・正しい食事って、実行するのは確かに難しいですよね。
    食卓にのる食材の生産者の顔が見えると、それだけで美味しく楽しく感じたりできることがあるようで、うちの農場はそういった意味で積極的に消費者のかたの農場見学や畑仕事体験を受け入れています。

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