泣きっ面に蜂をどう脱するか?

泣きっ面に蜂をどう脱するか?

(通信2019年6月号より転載)

今年は4月がとても暖かく、肥料を撒き、種を蒔き、苗を育てて、とても穏やかに農作業に勤しんでおりましたが、ゴールデンウイークが始まろうとする4月27日に寒波がやってきて、気温がマイナス3度まで冷え込みました。野菜たちは、これからガンガン大きくなってやるぜなんて感じで水分を体に取り込み、光合成をしようと葉っぱを伸ばしていたところに急激に寒さに当たってしまい、多くの野菜たちが回復できないほどのダメージを負ってしまいました。さらに追い打ちをかけるように5月8日に0度まで冷え込み、回復しかけていた野菜たちがダメージを負ってしまいました。そんなわけで、通常は6月の頭から出荷をしていたのですが、今年は1週間ほど遅れてのスタートとなりました。

そしてこんな暗い文章を書いている6月6日に家の周りで大きな雹(ひょう)が無慈悲に降り注ぎ、夏の主力商品であるナス、ピーマン、ズッキーニ、キュウリの大きくなりかけの苗、やっとできつつある葉物を文字通りボコボコに穴を開けて去っていきました。これがいわゆる泣きっ面に蜂というやつですね。ちなみにこんな急激に温度が冷えるという状況も、雹の被害がこんなに甚11て10年になりますが、初めてです。

さて、皆さんであればこのような状況をどのように処理していきますか?

私がよくやるのは

  • もっとひどい状況の人を思い浮かべ、自分はマシだと思い込む。(映画「戦場のピアニスト」を見るというのも効果があります)
  • 大丈夫、なんとかなる!と根拠のない自信をもってなんとかその場を乗り切る
  • 筋トレをして肉体的な疲労を作り、さっさと寝る
  • 発生した被害を紙に書きだし、定量的な被害額を把握してなんとなくすっきりする

あたりでしょうか。

どんな仕事をしていても理不尽だなと思うような事態は発生します。農業の場合はそれの多くが自然相手ということで、人間相手のよりも諦めがつきやすいので精神衛生上、結構いいなと思って仕事をしています。

さて、スタートダッシュでは派手にこけましたが、同じ農法で作っている仲間の農家の助けを借りながら出荷していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。